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第2回日本セーフティプロモーション学会学術大会

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第1日目 一般口演
一般口演プログラム 座長:木村みさか 今井博之
DV、児童虐待に対するセーフティプロモーションの取組:石橋優子(厚木市児童虐待・DV担当課長)
青森県における子どもの事故・外傷予防の取組について:奈須下淳(青森県健康福祉政策課)
青森県上十三地域における外因死の記述疫学的分析:一戸恵久美(青森県上十三保健所)
乳幼児事故防止に向けての取組:浅野智美(仙台市太白区保健福祉センター)
小学生の防犯能力の評価方法に関する研究:西岡伸紀(兵庫教育大学教授)
携帯メールによる子どもの事故予防情報提供に向けた母親の情報に対する意識調査:高島智子(産業技術総合研究所デジタルヒューマン研究センター)
「モノ・環境・ヒト」の包括的視点から進める傷害予防:山中龍宏(CIPEC、緑園こどもクリニック)
医療機関における傷害サーベイランス普及に向けて:掛札逸美((独)産業技術総合研究所デジタルヒューマン研究センター)
ミストサウナ使用による高齢者向け入浴方法の検討:前川佳史(東京都老人総合研究所)
高齢期におけるDV被害者支援の課題:小柴久子(山口女性サポートネットワーク)
概要
 今回の大会から始まった一般口演、人からの発表をいただきました。発表者は大学等研究者から5名、自治体から4名、そしてNPOから1名と、この学会らしく発表者の半数は地域で様々な活動をされている実践者。厚木市の石橋さん、青森県の奈須下さん、一戸さん、仙台市の浅野さん、そして山口女性サポートネットワークの小柴さんから、DV対策、子どもの事故予防など現場における現状や課題が報告されました。そして、質疑応答の時間では、会場内の研究者の方々から、様々なアドバイス。まさしく、この学会の目指すところです。また、それぞれの地域によって、データや課題に差があって、今後、ネットワークが広がり、この地域差を明らかにすることによって、有効な対策が浮かび上がってくるのではないか感じました。
 一方、研究者の方は、兵庫教育大の西岡先生から小学生の防犯能力の評価方法に関する研究、産業技術総合研究所の高島さん、掛札さんから携帯メールによる子どもの事故予防に関する意識調査、「モノ・環境・ヒト」の包括視点からの傷害予防、傷害サーベイランス普及に向けた行動変容に関する研究、東京老人総合研究所の前川さんから、ミストサウナ使用による高齢者向け入浴方法の検討などの研究成果が発表されました。こちらも質疑応答では、様々な質問が飛び交い、非常に熱心な意見交換がなされました。自治体職員の私には耳の痛い話や参考になる話がいっぱいでした。
一般口演発表の様子
一般口演発表の様子
一般口演
 第1日目 ポスター発表
ポスター発表 プログラム 座長:八田直哉、山内勇
京都府内の高等学校における学校管理下事故災害の実態:木村みさか(京都府立医科大学教授)
小学校における骨折事故発生要因の検討:桝本妙子(明治国際医療大学教授)
乳幼児における口腔領域外傷の発生状況:福田英樹(長崎大学)
中山間農業地域における畦畔の草刈作業と安全に関する実態:片山千栄((独)農研機構農村工学研究所
高齢者における熱中症予防のための対処方法の検討:岡山寧子(京都府立医科大学教授)
セーフティプロモーション活動による住民参加のきっかけと意識形成過程:山田典子(青森県立保健大学)
セーフティプロモーション活動における目的意識形成過程:奈良岡恵子(青森県立保健大学)
SP/SC活動に取り組んだ関係者の目的意識形成過程:川内規会(青森県立保健大学)
SC活動に取り組み始めた住民が抱いた思い:三津谷恵(青森県立保健大学)
SC活動に見られる住民間の目的意識形成過程:山田真司(青森県立保健大学)
SC活動に見られる住民間の目的意識形成過程:リボウィッツよし子(青森県立保健大学)
SC活動に見られる住民間の目的意識形成過程:豊田佳緒里(介護老人保健施設とわだ)
概要
 ポスター発表も今大会から導入。12名の発表者からポスター掲示及び発表がなされました。こちらの方は研究者がほとんどですが、うち7名の方が十和田市のセーフコミュニティ活動に取り組んでおられる方々。青森県立保健大学の山田典子先生、奈良岡先生、川内先生、三津谷先生、山田真司先生、リボウィッツ先生、そして介護老人保健施設とわだの豊田さんから、セーフコミュニティ活動による活動参加者や関係者の意識形成過程について様々な角度から調査・分析された概要が報告されました。
 セーフコミュニティ活動には、何といってもその地域に住まれている住民の方々の意識高揚と参画が不可欠です。そして地域住民自らの「気づき」による自発的な活動が、取組の質的な向上と持続性を確保するものと考えています。非常に興味ある研究です。
 もう一つのブロックでは、京都府立医大の木村先生から高等学校における学校管理下事故災害の実態及び小学校における骨折事故発生要因の検討、長崎大学の福田先生から乳幼児における口腔領域外傷の発生状況、農研機構農村工学研究所の片山さんから、畦畔の草刈り作業と安全に関する調査、京都府立医大の岡山先生から高齢者における熱中症予防のための対処方法の検討について発表がありました。
 こちらは、実際の現場で発生している外傷の実態を明らかにし、それを対策へとつなげていこうとされている研究の報告でした。このような成果をうまく施策へ反映していくようなシステムを構築していくことが大きな課題だなあと感じています。
 しかしながら、外傷の実態を明らかにし、それを皆さんに知ってもらうだけでも、外傷予防にとって大変有効です。このような情報の共有化についても、本学会で取り組んでいきたいと思います。それはさておき、こちらのポスター発表の方も、気軽に質問できることもあって、多くの質問、アドバイスなどが出され、私が座長をしていたのですが、予定時間があっという間に過ぎてしまいました。発表者の皆さまありがとうございました。

ポスター発表の様子
ポスター発表の様子
会場の様子
会場の様子
第2日目 大会長講演
大会長講演プログラム
高齢期における事故予防の重要性:鈴木隆雄(東京都老人総合研究所 副所長)
大会長講演概要
 2日目は、東京都老人総合研究所副所長の鈴木隆雄先生の大会長講演からスタート。鈴木先生からは「高齢期における事故予防の重要性」と題し、高齢者の外傷予防がいかに大切かということを、データを用いて非常にわかりやすく解説いただきました。特に総死亡率と年齢の関係を示した総死亡曲線(Gompertz曲線)と年齢別・死因別死亡曲線との関係で、日本の生活習慣病対策はもう十分な成果をあげており、これ以上の必要性は薄く、事故予防にシフトしていくべきだとのお話はとても興味深いもので、ついつい「うんうん」と頷いてしまいました。鈴木先生の講演は、いつもデータをうまく活用されて、とても説得力のあるお話なので、本当に感心します。
鈴木大会長のスタッフの皆さんほか
鈴木大会長と事務局の皆さん
第2日目 基調講演
基調講演プログラム 
Building safer communities:the WHO Approach: LINDA L. MILAN, M.D., M.P.H(Director,Building Healthy Communities and Populations WHO Western Pacific Region)
政府における道路交通安全、自殺予防の取組:高橋広幸(前内閣府政策統括官付参事官)
基調講演 概要
 今大会では、WHO西太平洋地域局健康政策部長のリンダ・ミランさんと前・内閣府政策統括官付参事官(交通安全対策・自殺対策担当)、現・都市再生機構カスタマーコミュニケーション室長の高橋広幸さんから基調講演をいただきました。
 リンダ・ミランさんからは「セーフコミュニティの構築へ:WHOの取組」と題し、西太平洋地域の外傷等の実情と課題、そしてWHOの取組について講演いただきました。外傷による死亡は世界でも全体の9%を占め、特に交通事故が近年急増してきているということ。ベトナムなどではここ数年で急激に自動車やオートバイが増加し、交通事故防止対策や法令整備が追いついていないことが大きな要因となっているようです。
 また、WHO西太平洋地域局では「Framework of Action for Health Promotion」という取組を展開されていて、これは、「健康都市連合(ヘルシーシティ)」という形でその展開を広めていっているということでした。日本でも千葉県市川市をはじめ24都市が健康都市連合に加盟されています。
 次に、高橋室長から、「政府における道路交通安全、自殺予防の取組」と題し、交通事故及び自殺の現状と課題及び政府の取組について講演をいただきました。交通事故では歩行者の死亡事故率が高く、特に高齢者と子どもの事故予防が課題で、自殺については、失業率との相関性が強く、平成9年以降の自殺者の急増は中高年男性の自殺者の急増によるものということでした。 これらを受け、地域や住民が安全で安心な交通社会の形成に積極的に関与していくような仕組みづくりを進めているとし、その手法としてセーフコミュニティを位置づけできないか模索しているということ。自殺対策については多重債務者の救済や自殺対策要綱の見直しなどに取り組まれているということでした。セーフコミュニティが国の施策として位置づけられることを期待しています。
リンダ・ミラン部長の基調講演の様子
Dr Linda Milan
高橋室長の基調講演の様子
高橋広幸室長
第2日目 シンポジウム
シンポジウム1プログラム:科学的根拠に基づくセーフティプロモーション 座長:衞藤隆、武藤孝司
小学生を対象とした安全教育の視点から考えるセーフティプロモーション:藤田大輔(大阪教育大学教授)
医療機関の役割:予防につながる傷害情報の収集:山中龍宏(緑園こどもクリニック院長)
転倒・予防のメカニズムに対するバイオメカニクスによるアプローチ:牧川方昭(立命館大学教授)
亀岡市における外傷発生動向調査:横田昇平(京都府南丹保健所長)
パネルディスカッション

シンポジウム1
 このシンポジウムは、科学的根拠、すなわちエビデンスにもとづくセーフティプロモーションについて、4名の研究者や活動者から研究成果等のプレゼンテーションがあり、その後、本テーマについて会場と発表者の間でディスカッションするという形で進められました。
 プレゼンテーションでは、大阪教育大学の藤田先生から、大阪教育大付属池田小学校の取組を通じた小学生への安全教育の効果的な展開について、産業技術総合研究所こどもの傷害予防カウンシルの山中先生からは、傷害予防のための傷害サーベイランスの必要性、包括的な傷害予防を進める安全知識循環型社会の構築に向けた取組について、立命館大学の牧川先生からは転倒時の骨折のメカニズムとその予防対策について、そして京都府南丹保健所の横田先生からは亀岡市における外傷発生動向調査結果の分析について話題提供がされました。その後、会場とのディスカッションにおいては、データ収集の困難性や犯罪予防と事故予防における教育の有効性などについて質問や意見が出され討議が展開されました。

シンポジウム1の様子
シンポジウム1の様子
シンポジウム2:セーフコミュニティの着実な取組を目指して 座長:石附弘、反町吉秀
「セーフコミュニティ」認証の効果的なプログラムの推進:山内勇(亀岡市)
セーフコミュニティを目指す十和田市の取組:中野渡正慈(十和田市)
厚木市セーフコミュニティ認証に向けての挑戦:倉持隆雄(厚木市)

シンポジウム2 概要
 次のシンポジウムでは、シンポジストとして亀岡市の山内さん、十和田市の中野渡さん、厚木市の倉持さんを招き、各地域での取組状況を紹介いただき、セーフコミュニティの着実な展開について意見交換がなされました。
 セーフコミュニティといっても、その地域によって課題も異なりますし、実施方法も異なります。決まったやり方はありません。地域の人たちが決めた地域のやり方で進めることが大切です。そして、この3つの地域はそれぞれの地域特性を活かした手法により、セーフコミュニティに取り組んでおられます。
 このセーフコミュニティが全国に広げていくためにも、トップランナーのこの3 つの地域には、引き続き、取組を拡大・発展させていっていただきたいものです。

シンポジウム2の様子
シンポジウム2の様子
日本セーフティプロモーション学会事務局
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